外傷整形外科医を目指すレジデント集まれ

舟久保岳央先生の略歴

平成21年 自治医科大学卒業
平成21年~ 大阪府立急性期・総合医療センター 卒後臨床研修医
平成23年~ 大阪府立急性期・総合医療センター レジデント
平成24年~ 東大阪市立総合病院 整形外科

四肢外傷医を目指す先生方へ

舟久保症例数3.png

私は大阪府立急性期・総合医療センターでの2年間の初期研修を終えた後に、救急診療科で1年間後期レジデントとして研修をさせていただきました。現在は東大阪市立総合病院で整形外科研修を行っています。

救急医療・外傷診療では命を救う方法が常に論じられています。ただ、それだけが全てではないとも思います。救命はできても、重度の後遺障害が残ってしまうことは許容されるのでしょうか。患者様が可能な限り受傷前に近い状態まで回復し、歩いて退院できるようにするには、四肢・骨盤外傷治療医が初期からマネジメントして機能予後を見据えた治療を展開することが必要であると思います。そういった思いから私は救急診療の中でも、四肢・骨盤外傷をサブスペシャリティーとして身に付けたいと思いました。

では、私の1年間の後期研修での経験・感じたことを紹介したいと思います。

1)どれぐらいの症例が経験できるのか

表に示したように、数多くの四肢・骨盤外傷症例を経験することができました。1年間で100例以上もの手術症例を経験でき、かつ執刀する機会も数多くあります。整形外科専門医をもつ医師の指導の下で学ぶことができ、手技に関しても1から教えていただきました。また、多発外傷症例・開放骨折症例は一般の整形外科研修では遭遇する機会が少ないように思います。実際、開放骨折Gustilo Ⅲ以上の症例や、創外固定の機会の多さはこの救命センターでの研修ならではであったと感じています。

2)四肢外傷センターでの研修

当センターでは四肢外傷が搬送されると、四肢外傷センターとして救急診療科・整形外科・形成外科の医師が治療に参加し、科の垣根を越えて手術・術前術後の管理を行います。整形外科や形成外科の専門家からの意見も治療にとりいれ、合同手術を行うことも少なくありません。四肢外傷治療センターでの経験は我々のような若手医師は大変学ぶことが多い場でした。

3)退院後の生活までサポートする

当センターでは、四肢・骨盤外傷の手術症例を中心に退院後の外来診療も行っています。我自分達で手術症例をフォローすることで、携わった患者様の退院後の機能予後を知ることができます。そういったフィードバックができる救命センターはまだ少ないのではないでしょうか。こういった診療体制ができる施設だからこそ、「preventable disabilityを少しでも減らす」治療を経験することができるのではないかと思います。

4)集中治療、全身管理も学べる

救命センターに運ばれる患者様は骨折以外にも多くの問題を抱えています。当センターには外傷以外にも数多くの敗血症や呼吸不全といった重症患者も多数搬送され、その集中治療、全身管理も行います。「差し迫った状況での対応」や、「重症病態をどう対処するのか」など・・大変な思いもたくさんしました。ただ、今になって考えると、重症患者の全身管理を学べたことで、医師として医療の幅を広げることができたと感じています。


このように、救命センターならではの高エネルギー外傷による骨幹部骨折や開放骨折などは多く学ばせていただきましたが、その分症例に偏りもありました。したがって、脊椎や骨盤、また手の外科、腰・膝など整形外科医として学ばなければいけないことが多く存在しているのも事実です。私自身今後四肢・外傷治療医として一人前になるためには、一度救命という場を離れて、整形外科医としての知識・技術を身に付ける必要があるのではないかと思っています。そういった整形外科的な知識や経験を得て、また救急の現場でそれらを生かしていくことが当センターで研修を終えた私の今後の目標です。

非常に熱心な先生方のもと、充実した後期研修ができたことは私にとって非常に大きな自信となりました。当センターで得た経験・知識を基盤として、多くの経験を重ねることでまた成長できればと思います。






宮岡写真.jpg

宮岡俊介先生の略歴

平成21年 鳥取大学卒業
平成21年~ 諏訪赤十字病院 卒後臨床研修医
平成23年~ 大阪府立急性期・総合医療センター レジデント
平成24年~ 信州大学医学部附属病院 整形外科

整形外科医を目指す人達へ


miyaoka PNG.png

私は初期研修を地方都市の中規模病院で行い、その後この大阪府立急性期総合医療センターの救急診療科で1年間レジデントとして勉強させてもらいました。現在は信州大学整形外科に入局して整形外科一般を勉強しているところです。  元々、四肢外傷に興味のあったため3年目の進路としてこの高度救命救急センターを選びました。自分の様な整形外科医もしくは整形外傷を専門とする救急医を目指す若手医師にとって府立病院で学ぶことのメリットについて話したいと思います。  まず一つ目は重症患者における全身管理を学べる事です。整形外科の患者の中には、大腿骨骨幹部骨折や骨盤骨折など命に関わる外傷患者がいます。そのため整形外科医にも全身管理ができる能力は非常に大切であり、また重宝させるところでもあります。ここでは外傷患者だけでなく重症熱傷、敗血症の患者も多くシビアな呼吸管理、循環管理などが必要であり、これ等のトレーニングの場として最適であると思います。 次は外傷診療一連の流れというか治療戦略ストラテジー身につけることができるということです。ここに運ばれてくる患者の多くは頭部、胸部、腹部、四肢等複数の損傷を合併しています。それぞれの損傷自体がそれだけで重症であり、その中で何を優先的に治療していくのかという考え方を学ぶことができます。1分1秒を争う現場において瞬間瞬間の判断力は、その場に身を置き自分で考えなければ養われないと思います。またそこで必要な実際の手技も十分過ぎるほど出番が回ってくるため、1年間を終えるころには一通りの基本手技を身につけることができます。  特に四肢外傷に関しては地方ではあまり出会わないようなGustiloⅢ以上の開放骨折もどんどん運ばれてきます。これ等重症開放骨折の固定方法や時期の決定は常に頭を悩ますところであり、整形外科でも特殊で難しい領域の一つです。しかしここでは経験豊かな救急医(整形外科専門医)の指導のもと、初期治療から手術、そして術後管理までをすべて経験することができます。またこの救命センターの特徴ともいえるのが自科でリハビリ病棟をもっているということです。患者が救急車で搬送されその初療を担当し、手術を執刀しその後のリハビリから退院まですべてを管理し担当することができます。全国の救命センターや整形外科を探してもこのような施設は少ないのではないかと思います。  以上1年間で強く感じたこの救命センターのいい所を書いてみました。ただ単に施設の良さや患者の数の多さだけでなく、救急に対する強い熱意、向上心そして確かな技術を持った先生方の下で過ごす日々は本当に刺激的で飽きることはないでしょう。当直などレジデントの生活は決して楽だとは思いませんが、間違いなくそれ以上に得るものは大きいと思います。百聞は一見に如かずということで、少しでも興味を持った方は見学に行って自分の目で確かめてみてください。自分の様に1年間の短期の研修も受け入れて頂けるくらい度量の広い救命センターだと思うので是非一度この世界に飛び込んでみてください!刺激的な世界が待っています!