八尾SCUとは

SCU(staging care unit)とは

災害医療の目的の一つに、被災地内(病院機能が破綻した地域)の傷病者を被災地外(病院機能を維持している地域)へ搬送することがあります。搬送方法は、ドクターカー、ドクターヘリなど様々な手段が挙げられますが、より多くの傷病者を搬送する観点からDMATでは自衛隊機を使用した航空機搬送を想定しています。実際に東日本大震災においても、19名の傷病者が自衛隊機で搬送されました。重症傷病者は刻一刻と状態が変化するため、搬送途中に医療介入が必要となることが多く、医療従事者の搬送介助は必須です。特に航空機内での医療行為は大きく制限されるため、搭乗前に状態を把握することは重要です。SCUとはすなわち傷病者を被災地内から被災地外への航空機搬送するうえでの臨時医療施設であり、搭乗前最終のメディカルチェックを実施する拠点となります。そのため設置場所は空港併設の格納庫、自衛隊基地、公園などに決めている自治体がほとんどです。SCUでは、傷病者の状態を再評価するとともに、搬送における傷病者の優先順位を決定したり、長時間フライトに耐えうるかどうかの判断が要求されます。従来、航空機搬送される傷病者は被災地内病院から搬送される想定でしたが、東日本大震災における花巻空港で展開されたSCU活動では、自衛隊や海上保安庁のヘリなどで現場から救助された傷病者が多く搬送されてきました。これを受けて今後のSCUはトリアージ、初期診療が実施される応急救護所的な側面を兼ね備えた航空搬送拠点臨時医療施設となる見込みです。

大阪府のSCU計画

大阪府においては、伊丹空港、関西国際空港、八尾空港を想定しています。伊丹空港、関西国際空港では、航空機の格納庫を利用する予定です。一方でより迅速にSCUを立ち上げるために常設型のSCU計画が進んでいました。平成24年3月、大阪府八尾市にある八尾空港に隣接して立地する大阪府中部防災拠点内に日本初の常設型災害時広域搬送拠点"八尾SCU"が完成しました。当院は、大阪府の依頼を受け、八尾SCUの開設準備に協力してきました。

八尾SCUの写真

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八尾空港の全景

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上空からみた八尾SCU

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八尾SCUの入口

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八尾SCUの格納庫